演出・池田美樹です。
「インプロと大衆演劇はかなり似ているのかもしれません」。
福岡・東京で演劇活動をしている春野早苗さんというお嬢さんの言葉。
「こらぼ」の稽古独特のアドリブについて話していたときのことでした。
インプロ=インプロヴァイゼーション、
つまり「即興」のこと。
「形式による制約よりも、演奏時・演舞時の知覚を優先とするもの」@WIKIpedia
なるほど!
お客様と物語と相手役、
その瞬間にいちばんふさわしい言動を、直感でつむぎ出す。
こらぼをやるごと「演劇」と「芝居」の違いについて考え続けているのだけど、
早苗ちゃんのひとことに、
ひとつキーワードをもらったような気がしました。
そして「道太郎」。
いよいよ稽古も佳境。
昨日は粗々の通しをやりました。
劇場独特の空気に圧されていた小劇場の皆も、ここに来てかなり楽しそうに。
皆の中で、玄海さんや一太さんのアドリブが、
「緊張」から「期待」に変わりつつあります。
……いや、まじであんまり観たことのないものが仕上がっている。
…のでは?(^^;)
中でも玄海さんが「本番しかやりません」とおっしゃる、
道太郎と実の父(玄海さん)の名乗りの場面。
昨夜もぞぞっと震えました。
「俺が○○と言ったら、そのときの気持ちで応えて。
そして最後は俺を呼んでみて。呼び方はキミに任せるから」
その発想と空気。
演出家と役者が共存しているのが、
大衆演劇や歌舞伎の「長」の方の特徴なんだろう。
あの空間で稽古できるのがおもしろくて仕方がない。
常識も方法も違うものたちが、「違和感を好奇心に変える」。
それがコラボレーションなのだと改めて。
あと4日。
違和感と好奇心を存分に研いで。
皆様是非、
「その場で生まれる言葉」を体感しにいらして下さい。